【服用し忘れた場合】
マーシロン‐28を服用し忘れた場合、頻度は低いものの、不正出血が見られる可能性があります。
*偽薬を飲み忘れた場合*
もしマーシロン‐28を飲み忘れたのが、有効成分の含まれていない偽薬であった場合、避妊効果に変化はありません。次の錠剤をいつもの時間に服用してください。
*12時間以内に気づいた場合*
マーシロン‐28の飲み忘れに気づいたのが、服用すべき時間から12時間以内の場合、すぐにその錠剤を服用してください。その場合も避妊効果は保たれています。その後はいつもの時間に次の錠剤を服用してください。
*12時間以上気づかなかった場合*
マーシロン‐28の飲み忘れに気づいたのが、服用すべき時間から12時間以上経過している場合、避妊効果は低下していると考えられます(その効果はゼロではありませんが、期待される効果が発揮されない可能性があると考えて下さい)。マーシロン‐28を2錠以上飲み忘れている場合にはより妊娠のリスクが高くなっていると言えます。
もしマーシロン‐28を飲み忘れたのが、有効成分の含まれた錠剤を服用する期間の初めの方か終わりの1週間である場合、妊娠のリスクがさらに高くなります。下記の指示に従ってください。
-2錠以上飲み忘れている場合-
妊娠(する)している可能性があります。直ぐに医師に相談してください。
-有効成分を含んだ錠剤の最初の7日間の間に1錠飲み忘れた場合-
マーシロン‐28の服用忘れに気づいたらすぐにその錠剤を飲んでください(例えそれが2つの錠剤を同時に飲むことになってもそうしてください)。そして、次の錠剤をいつもの時間に服用してください。その場合には、それから7日の間、性交の際に必ずコンドームなどの非接触法による避妊具を用いてください。
この場合、もし服用を忘れた日から1週間以内に性交を行っていたなら、妊娠の可能性があります。直ちに医師に相談してください。
-有効成分を含んだ錠剤の8-14日目の間に1錠飲み忘れた場合-
マーシロン‐28の服用忘れに気づいたらすぐにその錠剤を飲んでください(例えそれが2つの錠剤を同時に飲むことになってもそうしてください)。そして、次の錠剤をいつもの時間に服用してください。
この場合、マーシロン‐28の避妊効果は継続しています。その他の避妊法を用いる必要はありません。
-有効成分を含んだ錠剤の15-21日目の間に1錠飲み忘れた場合-
その他の避妊法を用いないでマーシロン‐28の避妊効果を維持するためには次の2つのどちらかを選択する必要があります。
1:マーシロン‐28の服用忘れに気づいたらすぐにその錠剤を飲んでください(例えそれが2つの錠剤を同時に飲むことになってもそうしてください)。そして、次の錠剤をいつもの時間に服用してください。その後、有効成分の含まれた錠剤を飲み終わった次の日に(休薬期間を置かずに)新しいマーシロン‐28の有効成分を含んだ錠剤を飲み始めてください。
この場合は、休薬期間(偽薬を服用する期間)が無いため、新しいマーシロン‐28の有効成分が含まれた錠剤を飲み終えるまで、生理は来ないでしょう。
(つまり1回生理を飛ばすことになります。ですが、マーシロン‐28を服用している間にも、少量の出血や不正出血が起こる可能性があります)
2:今飲んでいるマーシロン‐28のシートを捨て、7日間あるいはそれより短い期間、マーシロン‐28の服用を停止します(この7日には服用を忘れた日も含まれます)。その次の日から新しいマーシロン‐28のシートの「Start」と書かれた部分から服用を始めます。この場合、いつもと同じ曜日から新しいシートの服用を始めることになります。
もし、マーシロン‐28の服用を忘れたことがあるシートを服用し終えた後の休薬期間に生理が来ない場合、おそらく妊娠していると考えられます。新しいマーシロン‐28のシートから飲み始める前に、医師の診断を受けてください。
商品詳細
マーシロン‐28は、有効成分としてエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)とデソゲストレル(黄体ホルモン)を含む、経口避妊薬(超低用量ピル)です。
マーシロン‐28はマーベロン‐28と同じ有効成分を含んだ姉妹品で、ホルモン含有量が低く副作用を抑えるために開発されました。マーベロン‐28よりも、さらに副作用が抑えられている反面、服用時間が乱れた場合(不規則になると)不正出血が起こりやすいという特徴があります。
マーベロン‐28でもまだ副作用が強いと感じる方に処方されることが多いようです。
1錠の中には、エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)が0.02mg(マーベロンは0.03mg)、デソゲストレル(黄体ホルモン)が0.15mg(マーベロンと同量)含まれています。オルガノン社によって開発された新世代のピルで、現在、注目を集めています。
黄体ホルモンとしてマーシロン‐28で利用されているデソゲストレルは1980年代に避妊ピルに利用され始め、その力は強いにもかかわらず、一般的に黄体ホルモン剤(プロゲストーゲン)に見られる男性ホルモン様作用が弱く脂質代謝に良い効果がある(ニキビなどに効果的)ことが知られています。
マーシロン‐28の有効成分であるデソゲストレルは黄体ホルモンの一番大きな問題である血栓症になる可能性があるという副作用をできるだけ抑えるために開発されましたが、その後、イギリス保健省がこのデソゲストレルの方が血栓症になる確率が高いため、気をつけるようにという情報を流しました。ただし、その後、その調査に問題があったことが分かり、そのような危険は無いことが公式に発表されました。
日本でもオルガノン社がデソゲストレルの含まれたマーベロンの許認可を申請しましたが、そのような経緯を鑑みてか、許認可は下りたものの、ほかの避妊ピルの使用がふさわしくない場合のみに用い、第一選択肢としない様に、との指示が添付される事になり、オルガノン社はこの製品の発売を見合わせました。
マーシロン‐28は、日本で許認可が下りている避妊ピルの中でもホルモンの含有量が最も少ないものとして知られているマーベロン‐21よりもさらに卵胞ホルモンの含有量が少なくなっています。
ホルモン量が少なければ当然その副作用も少ないと考えられます。そのため全体的に見て、マーシロン‐28によって血栓症あるいは、その他の副作用が発生するリスクは日本で認可されているほかの避妊ピルよりもかなり低いと考えられます。
(当然人体に有効とされる副作用(別の効能)も生じにくくなると考えられます)
マーシロン‐28は、エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)とデソゲストレル(黄体ホルモン)によって、卵巣が大きくなることを防ぎ、排卵の機会をなくすことによって妊娠を防止します。また、黄体ホルモンであるデソゲストレルには、子宮内膜の増殖を抑制し、受精卵の着床を防ぐ効果もあります。
マーシロン‐28は避妊のために開発された薬ですが、現在までに生理痛・生理不順の改善・卵巣がんの防止などの人体へ有効な副作用、いわば別の効能がある事も分かっています。
副作用
マーシロン‐28は黄体ホルモンとして、副作用が生じにくいといわれているデソゲストレルを用いさらに、卵胞ホルモンの含有量を抑えた超低用量ピルであるため、基本的に副作用は軽度で、ほとんどの副作用は基本的に服用を継続していくにつれて低減されていきますが、もしその症状が重い場合は、医師に相談してください。
ただし、マーシロン‐28の使用時間の乱れ(不規則な服用)による不正出血はほかの低容量避妊ピルよりもかなり高い確率で見られます。
マーシロン‐28の重大な副作用としては、血栓症(心筋梗塞・脳梗塞)などになる可能性が挙げられます(ほかのホルモン併用型の避妊ピルより血栓症になる可能性が低いことが分かっていますがその可能性が全く無いわけではありません)。これらの副作用が見られた場合、即、服用を中止し、医師に相談して下さい。
マーシロン‐28で報告されている一般的な副作用としては、吐き気、嘔吐、頭痛、体重の増加、不正出血、乳房痛、乳房の張り、不安などが挙げられます。
特別な注意
一般的に経口避妊薬の使用開始後の1年間において、5%の人が避妊に失敗するとの報告がありますが、そのほとんどが飲み忘れなどが原因と考えられます。飲み忘れには特に注意してください。
マーシロン‐28には,コンドームのような非接触法による避妊と違い、HIV(エイズ)・ほかの性行為感染症(梅毒,性器ヘルペス,淋病,クラミジア感染症,尖形コンジローム,腟トリコモナス症,B型肝炎など)を防止する効果はありません。
マーシロン‐28の飲み始めに吐き気を感じる人がいる事が報告されていますが、ほとんどの場合継続して服用していると解決されていきます。長期間にわたり問題が解決されない場合は、医師に相談してください。
一般的に全ての避妊ピルで、服用を始めた最初の数ヶ月間は少量の不正出血、或いは普通の生理が予想外のタイミングで生じる可能性があります。ですが普通3ヶ月以内に体が使用している避妊ピルに対応し、それらの症状は無くなります。マーシロン‐28を服用した後、もしそのような状況がずっと継続するならば、医師に相談してください。
もしマーシロン‐28を飲んでから3‐4時間以内に嘔吐してしまったり、下痢によって有効成分が体内に吸収される前に排出された可能性があるときは、マーシロン‐28を飲み忘れた時の指示に従ってください。
マーシロン‐28を心臓疾患の既往歴がある、もしくは家族などに心臓疾患を起こしやすい人がいる場合、血栓系の疾患を持っている人は、使用しないで下さい。
マーシロン‐28は避妊手術・子宮除去を行った人についても、使用禁止です。さらに、乳がん・子宮がん・子宮筋腫などの腫瘍がある人はマーシロン‐28を絶対に使用しないで下さい。これらの腫瘍は、卵胞ホルモン(エストロゲン)によって成長が促される可能性があります。
また、40歳以上、もしくは喫煙者、腎臓・肝臓に疾患のある人、高血圧の人は、服用によって重度の副作用が発現する可能性が高くなります。マーシロン‐28を使用する際には医師と相談して、慎重に服用してください。
出産後にマーシロン‐28を服用する場合には、医師に相談してください。おそらく医師は出産後最初の生理が来るまではマーシロン‐28の服用を控えるようにアドバイスするでしょう。